UnitreeはG1向けの公式シミュレーションリポジトリを複数公開していますが、目的は異なります。`unitree_mujoco`は主に低レベル制御器とSim-to-Realインターフェースの検証、`unitree_rl_gym`はスタンドアロン版NVIDIA Isaac Gym、`unitree_rl_lab`と`unitree_sim_isaaclab`はIsaac Labの作業を扱います。
新しそうな名前ではなく、最初に必要な成果物で選びます。本記事では、実機を使わずに始める手順に絞ります。全体比較はロボットシミュレータ比較、移行上の注意はSim-to-Real失敗ガイドで確認してください。
四つの公式リポジトリは異なるワークフローを指す
公式MuJoCoリポジトリはUnitree SDK2メッセージとMuJoCoを接続し、C++版とPython版を提供します。READMEは低レベル開発と制御器検証を主目的とし、G1とH1-2では`unitree_hg` IDL系を使います。
`unitree_rl_gym`はスタンドアロン版NVIDIA Isaac Gymを基盤とし、`unitree_rl_lab`はIsaac Labを基盤としています。両方をIsaac Labと呼ぶと、環境、パッケージのバージョン、タスク登録、配備手順の違いを見落とします。
| 公式経路 | 最初の用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| unitree_mujoco | DDS・低レベル制御器の検証 | 完全なRL学習基盤ではない |
| unitree_rl_gym | 既存のTrain→Play→Sim2Sim→Sim2Realを再現 | スタンドアロン版Isaac Gymと固定依存関係を使う |
| unitree_rl_lab | 現行Isaac LabでのRLタスク | リポジトリ記載のタスク名と対応版を使う |
| unitree_sim_isaaclab | Unitree DDSとIsaac Labシミュレーション | 付属の重みは実機への自動配備用ではない |
制御インターフェースを試すならMuJoCo
低レベル制御器やSDK2メッセージループがあり、関節順序、指令、観測を実機の電源を入れずに確認したい場合は`unitree_mujoco`から始めます。公式READMEはC++版を推奨し、Python例も用意しています。
Go2向けの既定例をG1へそのまま送らず、G1構成とメッセージ型を選びます。シミュレーション実行時はループバックインターフェースと実機とは別のDDSドメインを使い、シミュレーション通信が実機へ届かないようにします。
RL Gymはスタンドアロン版Isaac Gymのワークフローに使う
`unitree_rl_gym`はG1をサポートし、Train、Play、Sim2Sim、Sim2Realの段階を文書化しています。すでにバージョンを固定したUnitree歩行実験やチェックポイントの再現には価値があります。
導入手順はスタンドアロン版Isaac Gym、Python 3.8環境、指定されたPyTorchとRSL-RLを使います。現行Isaac Labのチュートリアルを混ぜ、依存関係エラーをG1モデルの問題と誤解しないでください。

新規のRLプロジェクトではIsaac Lab経路を検討する
新規のRL開発では、G1 29-DoFタスクを収録する`unitree_rl_lab`と、G1・H1-2およびDDS連携に対応する`unitree_sim_isaaclab`を確認します。導入前に各リポジトリが要求するIsaac Labのバージョンを再確認してください。
タスク名、アセット、起動コマンドの基準リポジトリを一つ決めます。ブランチ記録なしに別々のURDF・USD、報酬、設定を混ぜると再現性が失われます。
| 初回確認 | 記録する内容 | 防げる失敗 |
|---|---|---|
| リポジトリ状態 | URL、ブランチ/タグ、コミット | 上流変更による再現不能 |
| ロボットアセット | G1型式と関節一覧 | 自由度・関節順の誤り |
| ミドルウェア | インターフェース、NIC、DDSドメイン | 通信断や危険な混信 |
| 制御 | モード、周期、ゲイン、行動スケール | 不安定・飽和動作 |
| 評価 | シード、地形、外乱、成功基準 | 成功例だけを選ぶ偏り |
最小手順はスモークテストから
選んだ公式リポジトリを取得し、コミットを固定して、そのREADMEどおりに環境を作ります。G1アセットを読み込み、単一環境で受動または立位の例を動かし、関節名と制限を確かめてから並列化・学習へ進みます。
学習と評価のシードを分け、チェックポイントと環境設定を一緒に保存します。ドメインランダム化は基準モデルとインターフェースが正しいことを確認した後に適用します。

Sim-to-Realは新しい検証段階
実機前に制御周期、状態遅延、単位、関節対応、トルク・位置制限、正規化統計、開始姿勢、通信断時の挙動を確認します。支持具、保守的な制限、手が届く非常停止を用意してください。
公式リポジトリがG1に対応していることは、公式の実装経路があることを示すにとどまり、任意の方策があらゆるG1構成で安全に動作する保証にはなりません。書き出したチェックポイントごとにバージョンを付け、制御用の成果物としてレビューします。
よくある質問
unitree_rl_gymはIsaac Labのプロジェクトですか?
いいえ。スタンドアロン版NVIDIA Isaac Gymが基盤です。`unitree_rl_lab`と`unitree_sim_isaaclab`がIsaac Lab経路です。
G1の低レベル制御器はどこで試せますか?
SDK2・DDSメッセージと制御器の検証が目的なら`unitree_mujoco`を使います。G1設定を選び、DDSドメインを隔離してください。
シミュレーションのチェックポイントをG1へ直接配備できますか?
そのまま直接配備すべきではありません。型式、関節対応、単位、周期、制限、正規化、安全動作を確認し、低エネルギーの段階試験を行います。
確認した公式情報
- Unitree公式MuJoCoリポジトリ
- Unitree公式スタンドアロン版RL Gymリポジトリ
- Unitree公式Isaac Lab RLリポジトリ
- Unitree公式Isaac Labシミュレーションリポジトリ
- Unitree開発者向け文書
最終確認:2026年8月7日